独自企画を続けるミニシアター
「名古屋シネマテーク」20周年
29日から記念のイベント

 

毎日新聞 02年6月26日

小川紳介監督作品を特集
 

 大手映画会社の直営ホールでは見られない国内外のマイナー作品の上映や、独自企画プログラムを続けている40席のミニシアター「名古屋シネマテーク」(名古屋市千種区今池1)が27日に開館20年を迎える。記念イベントとして、「三里塚シリーズ」や「ニッホン国古屋敷村」などのドキュメンタリーで知られる小川紳介監督(故人)の作品特集を29日から来月4日まで行う。
 名古屋シネマテークの前身は、70年代初めから一般のホールを借りて自主上映に取り組んでいた任意団体「ナゴヤシネアスト」。82年に支援者約80人から1000万円を集め、テナント料や上映設備資金を確保、繁華街にある現在の今池スタービル2階に開館した。以来、政治的なメッセージのある硬派作品や、「ドイツ映画大回顧展」など映画史研究に欠かせないプログラムで、東海地区のシネマファンから指示を集めている。年間約250本の作品を上映。最近では、タリバーン政権下のアフガニスタンの人々の暮らしを描いた「カンダハール」などが人気を集めた。
 設立20年を迎えたことについて、代表の倉本徹さん(57)が「独立プロダクションの作品やドキュメンタリーなど、私自身が感動した映画の上映の場を名古屋にも確保したかった。大勢の観客を集める映画ではないけれど、多くのファンが支えてくれた。今後もファンの期待に応える作品を紹介していきたい」と話している。