名古屋シネマテーク叢書



 
90年12月1日

 「観たい映画を自らの手で上映しよう」を旗印に、名古屋シネマテークが発足したのは1982年6月のことである。71年から活動を始めた自主上映集団・ナゴヤシネアストを中心に、百余名の資金協力を得て設立された。利潤追求を第一の目的としていないため、<自主上映館>と呼称している。
 以後、ドキュメンタリー映画や一般の映画館にはかかりにくい初公開物を中心に、《ドイツ映画大回顧展》《国別新作映画祭》などの他、独自の企画物である《監督特集》などに取り組み、極私的映画ファンの熱い視線を少なからず浴びてきたと自負している。
 そして、七年目を迎えた89年頃から次第に、「企画表現としての上映活動のみに留まることなく、文章表現としての出版活動にも積極的にかかわっていきたい」との思いが芽生えはじめた。それは一つに、《監督特集》の際に講演会を開き、監督をはじめとする現場スタッフの映画を愛する貴重なお話を伺う機会を得たが、それを多くの人に伝える義務があるとの考えからである。また一つは、私たちの映画(評)論、作家論などを積極的に展開して、映画への思いを表出したいとの願望からでもある。
 当叢書の出版は、原則として有志による出資金で行い、名古屋(シネマテーク)ならではのものにしたい。ささやかな試みではあるが、持続した活動となるよう、読者諸兄の御支援・御鞭撻をお願いできれば幸いである。


名古屋シネマテークでの映画関係者の講演記録
かなり気楽におしゃべりをしており、東京などでの講演内容に比べて、
本音?の部分が垣間見られ、その筋では評価が高い

@鈴木  清順  定価(税込み 600円)
A木村  威夫 定価(税込み 700円)
B岡本  喜八 定価(税込み 700円)
Cマキノ雅広 定価(税込み 700円)
D小川  紳介 定価(税込み1800円)