タイトル | : Re: 線分図・面積図 |
投稿日 | : 2005/07/18(Mon) 13:41 |
投稿者 | : くらもと |
本質的なご質問のように思われます。
小学上級生といえども、まだまだ抽象的な処理方法にとまどいを感じる年代です。
小学教科書では具体性の世界である変わり方から規則性を考えて解く方法が中心ですが、中学生になりますと、方程式という抽象的な解き方に移っていきます。
その過渡期に登場するのが線分図・面積図です。
具体的でもあり、かつ、抽象的でもあるわけです。
これらを小学生が理解するためには、ある程度の抽象化を認識する必要があります。
それができない受験生の場合、教科書に戻ることが重要かと存じます。
解答時間は多少かかりますが、確実に処理することが可能です。
ただ、前提として計算ができている、数量関係の意味が分かること。
> 結局僕が今回の統一に向けてとった作戦は、極力線分図・面積図を使わない手段です。
> 倍数算については、比を合わせる方法(和一定・差一定・片方一定の場合にそれをあわせる手段)つるかめ算等は単純に「もがき作戦」
→上記の意味で、正解ではないかと存じます。
線分図・面積図が効果的(有効的)な受験生には2種類あります。
1.難問?を解決するときに、どこが不明で、どこを計算しているのかが明確になる。
2.低レベル層(偏差値でいえば40以下)の場合、数量関係が押さえられていないことが多く、また、計算ができていないことがありますから、どのような処理方法(テクニック)を教えても効果が少なく、そのため、パターンで処理させる方が効果的かと考えています。そのための線分図・面積図ですね。
3.おまけですが、数学の機械性に飽きた大人にとって、線分図・面積図の加工は新鮮さがあり、方程式を使わないため頭の体操には楽しみがありますが、数年で完成しないといけない受験生にとっては、酷くなのかも知れません。
>和差算や年齢算には線分図を使いましたが定型を暗記させる方法、平均算(食塩水の問題も含む)の面積図も定型暗記で。
→上記の意味では、正解です。
> ここで思ったのですが、果たして線分図・面積図といった手段は有効な手段なのかということです。解説をする側から言えば、解説しやすく、相手に納得させやすい手段ではあると思います。しかし解法としては有効なのでしょうか?線分図・面積図が描けるようであれば、描かなくても解けるのではないかと思えてきました。
> 僕が中学受験したころを思い出すと、そんなに多用しなかったと思います。つるかめ算に面積図は一度も使わなかったと思います。
> 線分図・面積図の有効性についてどのように思われますか?
→算数の解き方は様々です。100人おれば100通りの解き方があると考えています。
そのような受験算数ですから、年々?、問題に合わせた新しい?解き方が登場します。
20年前には面積図ははしりでした。
それ以前では、仮定算的な解き方が主流だったように思います。
つるかめ算であれば、「すべてつると考えると、足の数は・・・」などとやる方法です。
この処理の方法は、ある程度数量関係が分かっていないと出来ませんし、また、現実にそれで処理している受験生も多くいます。
ただ、そのようにして処理できる問題は、方程式であろうと、仮定する方法であろうと、もがき方であろうと、図解(線分図・面積図)であろうと簡単なのです。
難問ではない難しめの問題を処理するとき、どうするかにあるのです。
このとき、生かされるのが図解なのかも知れませんし、もがき方なのかも知れません。
15年以上前には、K塾のテキストの解き方の中心は、教科書的な変わり方でした。面積図は一切使われていません。
その理由は執筆者の多くは、小学教諭経験者が占めていたためです。
その後、現行のテキストの根幹をなす面積図を導入しました。
これにより、中位層以上の受験生にとってはそれなりの処理能力が高まったと思っています。
しかし、8年ほど前からは、図解よりも大切なことは気づきました。
現在、文章題を処理する上において最も大切なことは
1.問題文を整理する
2.等しい関係を押さえる
ことだと考えています。当然過ぎることですが、意外と理解されていないことです。
この2点の押さえは、方程式であろうと図解であろうと、どのような解き方であろうと、まず、押さえられていないといけないことです。
受験生のなかには、特に、下位層では、文章を読んで、整理して等しい関係を押さえることができていないようです。