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タイトルグラフ・表に関する問題
記事No582
投稿日: 2005/05/23(Mon) 10:30
投稿者Nori   <redmaster_14@ybb.ne.jp>
家庭教師で小6の女の子、算数の偏差値はK塾統一テストで47程度の子を受け持っています。
この子はグラフの問題をとても苦手にしています。グラフとはなんであるか「数値の推移・統計をグラフィカルに表現したもの」というような考えがないのだと思います。
状況打開策として、算数以外のグラフ(人口推移のグラフ・気温推移のグラフ等)も使ってグラフ慣れを目指している段階です。

そこで、教えていただきたいのですが、グラフ・表に関する問題を特集している問題集はないでしょうか?なかなか難しいとは思いますがご存知の方がいらっしゃったら教えてください。

タイトルRe: グラフ・表に関する問題
記事No583
投稿日: 2005/05/23(Mon) 10:55
投稿者くらもと
> 家庭教師で小6の女の子、算数の偏差値はK塾統一テストで47程度の子を受け持っています。
> この子はグラフの問題をとても苦手にしています。グラフとはなんであるか「数値の推移・統計をグラフィカルに表現したもの」というような考えがないのだと思います。
→グラフが難しいのは2次元の世界だからです。
  (線分図は1次元、面積図は2次元)
 このレベルのお子さんの場合、まず、比例と相似の概念ができていないためだと考えられます。このあたりを強化されるのがよいのではないかと推測されます。
 追:立体がさらに難しくなっていくのは3次元だからです。2次元である紙面に立体を表現するのは抽象的概念を理解する必要があるからです。

> 状況打開策として、算数以外のグラフ(人口推移のグラフ・気温推移のグラフ等)も使ってグラフ慣れを目指している段階です。
→2量の関係に慣れるという意味では大切かも知れません。
 ただ、入試で必要なのは、ろうそく、バネの長さなど、増減する部分が比例することです。
 さらに速さの問題を進行グラフで処理できるようになると、かなりのレベルまで解くことが可能になります。
※以前(20年ほど前?)、東京の塾で【三角図法】と銘打ち、文章題のすべて?を、グラフで処理させていました。今はつぶれたかな。
 私もチャレンジしましたが、それが出来るんですね。ただ、大人が楽しむ分にはいいのですが。

 志望中がどこかが分かりませんが、知っていて得をするのは、東海地区では、東海、滝、南女、淑徳あたりまででしょうか。知らなくても時間内に処理することは可能です。

> そこで、教えていただきたいのですが、グラフ・表に関する問題を特集している問題集はないでしょうか?なかなか難しいとは思いますがご存知の方がいらっしゃったら教えてください。
→このレベルのお子さんには、そのような特集の問題集はありません。
 月刊誌:中学への算数には、載っている月もあります。
 桐杏学園の出版物に少しあった記憶がありますが、あくまでも上位者向けのものです。
 

タイトル線分図・面積図
記事No591
投稿日: 2005/07/18(Mon) 12:38
投稿者Nori   <redmaster_14@ybb.ne.jp>
ご無沙汰しています。またまた上記の子を指導していて詰まってしまいました。
今回の統一テストの課題の一つでもある線分図・面積図についてです。どうやっても線分図・面積図を使いこなすことができないのです。繰り返し指導してみました。既出分野なのですから、そろそろできてもいいころだと思うのですが。

結局僕が今回の統一に向けてとった作戦は、極力線分図・面積図を使わない手段です。
倍数算については、比を合わせる方法(和一定・差一定・片方一定の場合にそれをあわせる手段)つるかめ算等は単純に「もがき作戦」
和差算や年齢算には線分図を使いましたが定型を暗記させる方法、平均算(食塩水の問題も含む)の面積図も定型暗記で。

ここで思ったのですが、果たして線分図・面積図といった手段は有効な手段なのかということです。解説をする側から言えば、解説しやすく、相手に納得させやすい手段ではあると思います。しかし解法としては有効なのでしょうか?線分図・面積図が描けるようであれば、描かなくても解けるのではないかと思えてきました。
僕が中学受験したころを思い出すと、そんなに多用しなかったと思います。つるかめ算に面積図は一度も使わなかったと思います。

線分図・面積図の有効性についてどのように思われますか?

タイトルRe: 線分図・面積図
記事No592
投稿日: 2005/07/18(Mon) 13:41
投稿者くらもと
本質的なご質問のように思われます。
小学上級生といえども、まだまだ抽象的な処理方法にとまどいを感じる年代です。
小学教科書では具体性の世界である変わり方から規則性を考えて解く方法が中心ですが、中学生になりますと、方程式という抽象的な解き方に移っていきます。

その過渡期に登場するのが線分図・面積図です。
具体的でもあり、かつ、抽象的でもあるわけです。

これらを小学生が理解するためには、ある程度の抽象化を認識する必要があります。

それができない受験生の場合、教科書に戻ることが重要かと存じます。
解答時間は多少かかりますが、確実に処理することが可能です。
ただ、前提として計算ができている、数量関係の意味が分かること。
> 結局僕が今回の統一に向けてとった作戦は、極力線分図・面積図を使わない手段です。
> 倍数算については、比を合わせる方法(和一定・差一定・片方一定の場合にそれをあわせる手段)つるかめ算等は単純に「もがき作戦」
→上記の意味で、正解ではないかと存じます。

線分図・面積図が効果的(有効的)な受験生には2種類あります。
1.難問?を解決するときに、どこが不明で、どこを計算しているのかが明確になる。
2.低レベル層(偏差値でいえば40以下)の場合、数量関係が押さえられていないことが多く、また、計算ができていないことがありますから、どのような処理方法(テクニック)を教えても効果が少なく、そのため、パターンで処理させる方が効果的かと考えています。そのための線分図・面積図ですね。
3.おまけですが、数学の機械性に飽きた大人にとって、線分図・面積図の加工は新鮮さがあり、方程式を使わないため頭の体操には楽しみがありますが、数年で完成しないといけない受験生にとっては、酷くなのかも知れません。

>和差算や年齢算には線分図を使いましたが定型を暗記させる方法、平均算(食塩水の問題も含む)の面積図も定型暗記で。
→上記の意味では、正解です。

> ここで思ったのですが、果たして線分図・面積図といった手段は有効な手段なのかということです。解説をする側から言えば、解説しやすく、相手に納得させやすい手段ではあると思います。しかし解法としては有効なのでしょうか?線分図・面積図が描けるようであれば、描かなくても解けるのではないかと思えてきました。
> 僕が中学受験したころを思い出すと、そんなに多用しなかったと思います。つるかめ算に面積図は一度も使わなかったと思います。
> 線分図・面積図の有効性についてどのように思われますか?
→算数の解き方は様々です。100人おれば100通りの解き方があると考えています。
 そのような受験算数ですから、年々?、問題に合わせた新しい?解き方が登場します。
 20年前には面積図ははしりでした。
 それ以前では、仮定算的な解き方が主流だったように思います。
 つるかめ算であれば、「すべてつると考えると、足の数は・・・」などとやる方法です。
 この処理の方法は、ある程度数量関係が分かっていないと出来ませんし、また、現実にそれで処理している受験生も多くいます。
 ただ、そのようにして処理できる問題は、方程式であろうと、仮定する方法であろうと、もがき方であろうと、図解(線分図・面積図)であろうと簡単なのです。
 難問ではない難しめの問題を処理するとき、どうするかにあるのです。
 このとき、生かされるのが図解なのかも知れませんし、もがき方なのかも知れません。

 15年以上前には、K塾のテキストの解き方の中心は、教科書的な変わり方でした。面積図は一切使われていません。
 その理由は執筆者の多くは、小学教諭経験者が占めていたためです。
 その後、現行のテキストの根幹をなす面積図を導入しました。
 これにより、中位層以上の受験生にとってはそれなりの処理能力が高まったと思っています。

 しかし、8年ほど前からは、図解よりも大切なことは気づきました。
 現在、文章題を処理する上において最も大切なことは
  1.問題文を整理する
  2.等しい関係を押さえる
ことだと考えています。当然過ぎることですが、意外と理解されていないことです。
 この2点の押さえは、方程式であろうと図解であろうと、どのような解き方であろうと、まず、押さえられていないといけないことです。
 受験生のなかには、特に、下位層では、文章を読んで、整理して等しい関係を押さえることができていないようです。