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タイトル面積図と天秤算
記事No184
投稿日: 2002/08/15(Thu) 11:20
投稿者木魚
《 面積図と天秤算の関係 》
で、
>面積図を理解させるのは難しい。出来れば線分図でというところから来ているのかもしれない。
>私の塾ではかたくなに面積図で処理している。
>どちらであっても差異はない。

>どちらが認識し易いか分からないが、最終的には、慣れの問題に帰結しそうである。

>なるべく少ない道具で問題を処理することがベターだからである。

私はこの考えに同意しておりました。
特に、なるべく少ない道具、というところは、「そうだ。子供にも言っておこう」
と考えていたのです。

ところが、面積図ではなく天秤の方がいいのでは?、という意見を目にしましたので、倉本先生の
ご意見をお聞きしたくなりました。
原文を載せるのはマズイかもしれないので、私なりにまとめました。おかしいところがあるかもしれません。
・子供は面積図よりも天秤の方がイメージしやすい。
・連続していないものを面積であらわすというのは大人の発想である。
・面積図から天秤算そして比の活用。これはできる子にとって当然の流れである。
・比の活用が受験算数のキモである。面積図の固執するのは、比の応用の妨げとなる。
・過不足算では縦軸と横軸がこんがらがるので、できる子は自分で理解した解き方になっていく。
・子供は楽な方がいいに決まってる。易しい解き方があるのだったらそれを使えばいい。
他にもあったのですが、大体こんな内容だったと思います。

中数の増刊「ステップアップ演習」に「線分図で解く11題」という項目があります。
天秤算による別解もあり、確かに、天秤の方がすっきり解けてる感じです。

現時点での私の考えはこうです。
比の活用は受験算数の最重要ポイントである。その比を活用する天秤算が使えないようでは、
困るのではないか。面積図は頭の中にイメージするのは難しい。スピードを要求される試験では
面積図にこだわるのは得策では無い。偏差値60以上を目指すのであれば、場合に応じて、面積図と天秤を使い分けるのがベストでは無かろうか。

いかがでしょうか。

タイトルRe: 面積図と天秤算
記事No186
投稿日: 2002/08/15(Thu) 14:30
投稿者くらもと
> 《 面積図と天秤算の関係 》

この部分省略

> 原文を載せるのはマズイかもしれないので、私なりにまとめました。おかしいところがあるかもしれません。
> ・子供は面積図よりも天秤の方がイメージしやすい。
→天秤につきましては、使うことがほとんどないため(質問がある場合にはそれなりの説明は行いますが)、子供たちの反応データはありません。

> ・連続していないものを面積であらわすというのは大人の発想である。
→速さは【連続量】であり、個数などは【不連続量】です。
 距離(幅がない)を面積に置き換えるのには、抵抗はないことはないのですが、分数の積・商も正確に理解していなくても処理しているように、連続量であっても、【たて×横=面積】と【速さ×時間=距離】の対応関係で、多くの?生徒は理解していくようです。

> ・面積図から天秤算そして比の活用。これはできる子にとって当然の流れである。
> ・比の活用が受験算数のキモである。面積図の固執するのは、比の応用の妨げとなる。
→比は受験算数の決め手であり、縦横に活用できないと、ちょっとしたレベルの問題も処理できないのかも知れません。
 私自身も【比を制する者は、受験算数を制する】と言っております。
 ただ、固執してしまうのは、よろしく有りませんが、下の難易度の学校の場合、面積図に固執して(問題をパターン化して)処理できれば、十分、合格点に達するはずです。

> ・過不足算では縦軸と横軸がこんがらがるので、できる子は自分で理解した解き方になっていく。
→恐らく、生徒レベルの問題ではないかと思います。

> ・子供は楽な方がいいに決まってる。易しい解き方があるのだったらそれを使えばいい。
→当然です。私は、下位層のみならず、上位層にも、教科書レベルの【表】の活用を奨めることがあります。その解き方を【もがき方解法】などと称しています。恐らく、面積図(天秤)に悩むより、この【表】の方が確かさがあります。当然、教科書と全く同じでは有りませんし、問題の内容をキチンと押さえられていることが前提です。

> 他にもあったのですが、大体こんな内容だったと思います。
>
> 中数の増刊「ステップアップ演習」に「線分図で解く11題」という項目があります。
> 天秤算による別解もあり、確かに、天秤の方がすっきり解けてる感じです。
→一度、見てみます。

> 現時点での私の考えはこうです。
> 比の活用は受験算数の最重要ポイントである。その比を活用する天秤算が使えないようでは、
→面積図も比を使います。

> 困るのではないか。面積図は頭の中にイメージするのは難しい。スピードを要求される試験では
> 面積図にこだわるのは得策では無い。偏差値60以上を目指すのであれば、場合に応じて、面積図と天秤を使い分けるのがベストでは無かろうか。
→全く違います。このレベルでは、面積図も天秤も意味のないことになります。
 一番大切なことは、問題文を整理して、等しい関係を押さえることです。
 そのあとで、○□(準方程式、線分図・面積図でも使う)で処理すべきです。線分図や面積図・天秤しか使えない生徒が、60以上を目指すにはムリがあります。せいぜい50乃至は55まででしょう。依拠する塾での公開模試で、正答率10%以下の問題が解けている生徒のほとんどが、○□か方程式です。

参考:昨年の某塾の6年生の公開模試で、食塩水の問題が7番(最後は8番、正答率不明)ででていましたが、これは天秤を意識した問題だっため、7番に持ってきたのであり、面積図で処理しておれば、5番か6番の問題ではなかったか、と思います。
http://tamatebako.net/1support/ex-mosi/ni6-09-7/set.htm
UPされているかどうかは不明です。
UPされていなければ今晩UPします。

> いかがでしょうか。

タイトルRe^2: 面積図と天秤算
記事No187
投稿日: 2002/08/15(Thu) 20:13
投稿者木魚
>私は、下位層のみならず、上位層にも、教科書レベルの【表】の活用を
>奨めることがあります。その解き方を【もがき方解法】などと称しています。
>恐らく面積図(天秤)に悩むより、この【表】の方が確かさがあります。

この天秤をすすめる先生も、つるかめなどでは表が有効な場合もある、とコメントしてた
ように記憶してます。

>→全く違います。このレベルでは、面積図も天秤も意味のないことになります。
> 一番大切なことは、問題文を整理して、等しい関係を押さえることです。

レベル、というのが、素人では分からないので、後は塾の方針に従うことにいたします。
日能研の年間予定表では、平均や濃度と比(逆比)の単元でも、面積図を用いて、とあります。
中数の増刊「日々のチャレンジ演習」10・2では、食塩水の問題のポイントとして、天秤算
を取り上げています。さらに、臨時増刊「合格を決めるキーポント」では、「逆比と天秤算」
という項目があり、……たとえば食塩水の問題では、計算の量もぐっと減らせる、とあります。
娘に確認したところ、濃度の問題では天秤算を多用したそうで、講師の好きずきがあるのかもしれません。

>○□(準方程式、線分図・面積図でも使う)で処理すべきです
この準方程式、に関するコメントを探して見ます。
相当算に関しての意見を見た記憶が有るので。

タイトルRe^3: 面積図と天秤算
記事No188
投稿日: 2002/08/16(Fri) 02:32
投稿者くらもと
>>私は、下位層のみならず、上位層にも、教科書レベルの【表】の活用を奨めることがあります。その解き方を【もがき方解法】などと称しています。恐らく面積図(天秤)に悩むより、この【表】の方が確かさがあります。

>この天秤をすすめる先生も、つるかめなどでは表が有効な場合もある、とコメントしてた
ように記憶してます。
→つるかめ算だけではありません。すべての文章題で使えます。ただ、割合関係では、分数や小数で表記されるため、チョットした工夫が必要になるかも知れません。

>>→全く違います。このレベルでは、面積図も天秤も意味のないことになります。
>> 一番大切なことは、問題文を整理して、等しい関係を押さえることです。

>レベル、というのが、素人では分からないので、後は塾の方針に従うことにいたします。
→私流の、およそのレベル分類は次の通りです。
基礎=教科書の内容
基本=教科書の内容+α
応用=処理過程が単純(パターンで処理可能な問題)
発展=処理過程が複雑
難問=様々な要素が複雑に絡みあった問題、それなりの知識が必要な問題
超難問=かなりの知識が必要な問題
ここでの「このレベル」とは、ほぼ難問を指しています。

>日能研の年間予定表では、平均や濃度と比(逆比)の単元でも、面積図を用いて、とあります。
>中数の増刊「日々のチャレンジ演習」10・2では、食塩水の問題のポイントとして、天秤算を取り上げています。さらに、臨時増刊「合格を決めるキーポント」では、「逆比と天秤算」という項目があり、……たとえば食塩水の問題では、計算の量もぐっと減らせる、とあります。
→ここにある問題群は、食塩水としてはごく基本的なレベルの問題です。これらができても、上位校では合格はできません。食塩水は平均算です。平均算は面積図か天秤ですが、複雑問題では、面積図や天秤は、一部に使われるだけです。

>娘に確認したところ、濃度の問題では天秤算を多用したそうで、講師の好きずきがあるのかもしれません。
→上記と同じ理由です。レベル的には基本・応用までの問題でしょう。

>>○□(準方程式、線分図・面積図でも使う)で処理すべきです
>この準方程式、に関するコメントを探して見ます。
>相当算に関しての意見を見た記憶が有るので。
→○□算は、○=x、□=yに該当すると考えて下さい。ただ、子供にとっては、方程式よりも○□の方が馴染みがあるために、大きさが見えやすいため、また、線分図を使うときにも○□が使われるため、方程式よりも理解度は早いでしょう。

追:以上のお答えは、5年生という段階ではなく、6年の段階、及び、上位校を受験するとの前提です。
 したがって、中堅校を意識した「合格を決めるキーポント」とは、レベル的には異なっています。

タイトルRe^4: 面積図と天秤算
記事No189
投稿日: 2002/08/16(Fri) 10:40
投稿者木魚

>→ここにある問題群は、食塩水としてはごく基本的なレベルの問題です。これらがで
>きても、上位校では合格はできません。食塩水は平均算です。平均算は面積図か天秤
>ですが、複雑問題では、面積図や天秤は、一部に使われるだけです。

>追:以上のお答えは、5年生という段階ではなく、6年の段階、及び、上位校を受験
>するとの前提です。
> したがって、中堅校を意識した「合格を決めるキーポント」とは、レベル的には異
> なっています。

ありがとうございます。何となく分かりました。(←よく、というほど読めてない可能性あり)
このあたりの判断は、受験算数のトッププロにお任せするしかないところだと思っております。
日能研でいえば、テキストを含めカリキュラムがトッププロの分身だということなのですが。
倉本先生もその中のおひとりだと考え質問させていただいており、細かいところまでお聞きしたい
と考えています。
中数の執筆陣で署名がある記事にたいしても、この意見はどの時期のどのレベルにたいする
アドバイスなんだろうか、ということが分からないので、この場所をお借りして質問させていただき
ました。

《6年の段階》、ということで質問させて下さい。
よく、6年9月から伸びる子とか反対に落ちていく子ということが言われます。
私が聞いているのは
……それまでは、単元毎の1対1対応、つまり、これはあの単元の問題だ、ということが分かる問題が
多いのに、9月以降の入試レベルの問題は総合問題であり子供にとって○○算という判断が
つきにくくなる。その時点で公式や主に記憶に頼っていた子供は対応できなくなる。
ということだったのですが、

倉本先生のご意見だと、6年9月の段階で、一を聞いて十を知る、というところまで伸びていないと
、上位校などで出題される複合問題の難度についていけなくなるということなのでしょうか。

タイトルRe^5: 面積図と天秤算
記事No190
投稿日: 2002/08/16(Fri) 13:25
投稿者くらもと
>ありがとうございます。何となく分かりました。(←よく、というほど読めてない可能性あり)このあたりの判断は、受験算数のトッププロにお任せするしかないところだと思っております。
>日能研でいえば、テキストを含めカリキュラムがトッププロの分身だということなのですが。倉本先生もその中のおひとりだと考え質問させていただいており、細かいところまでお聞きしたいと考えています。
→日能研とは関係がありませんので、カリキュラムなどの内容については分かりませんので、ご了承下さい。

>中数の執筆陣で署名がある記事にたいしても、この意見はどの時期のどのレベルにたいするアドバイスなんだろうか、ということが分からないので、この場所をお借りして質問させていただきました。
→塾によって進み方が違いますから、このような雑誌では、それらを無視することになりますね。したがって、月刊誌の場合、中学入試の全内容を学習したことを前提に編集されていると考えられます。履修すみかどうかの判断は保護者の方が行う必要がありということです。

>《6年の段階》、ということで質問させて下さい。
>よく、6年9月から伸びる子とか反対に落ちていく子ということが言われます。
>私が聞いているのは
>……それまでは、単元毎の1対1対応、つまり、これはあの単元の問題だ、という
>ことが分かる問題が多いのに、9月以降の入試レベルの問題は総合問題であり子供にとって○○算という判断がつきにくくなる。その時点で公式や主に記憶に頼っていた子供は対応できなくなる。
ということだったのですが、
→1学期までは狭い範囲しかやっていないと思います。その中での演習(類似)問題を学習しているとしても、ある意味の【一夜漬け】の世界です。
 私の依拠する塾では、1学期までは新出事項の学習に当てられていますから、次から次へと新しいことを覚えなければならないため、その以前の内容はほとんど記憶の片隅に追いやられ、積み重ねられていきます。
 これらの積み重ねられた知識が【夏の総復習】で、徐々に縦置きの状態になっていきます。要するに、知識が取り出しやすくなってくるのです。これを私は【知識のリンク化】と言っています。
 当然、リンク化だけで問題は処理できません。初めて見るような問題にでも対処できなければなりません。その方法は、文章題においては、【整理する、等しい関係を押さえる】ことであり、図形においては、【図形を描く、一つの性質で一つの図形を書き加える】ことであると、思っています。
 後は、その子の持つ能力が関係するかも知れませんが、少なくとも、このような基本作業?を行わない限り、初めて見る問題には対応できないのではないかと考えています。
 このような作業をせずに問題が解けない生徒に対して、【解く資格がない】と言い切って、いつもひんしゅくを買っています。

>倉本先生のご意見だと、6年9月の段階で、一を聞いて十を知る、というところまで伸びていないと、上位校などで出題される複合問題の難度についていけなくなるということなのでしょうか。
→同じ問題が出題されることが少ないと思いますし、高々2年間の受験勉強で、何種類もある問題の処理方法をマスターできることはありません。少ない知識で問題を解くためには、【一を知って十を知る】必要があると思っています。これは、抽象的な内容を理解する方法でもあり、人間が勉強する理由でもあると思っています。
 新入社員に社員教育をするとき、ベースになる部分を徹底的に学習させるはずです。その後は、新入社員の能力によって応用力があるかないかが判断されていくはずです。そのベースな部分が受験算数では、新出事項の学習までであると思っています。

タイトルRe: 面積図と天秤算
記事No185
投稿日: 2002/08/15(Thu) 13:08
投稿者くらもと
天秤につきましては、平均算しか認識がありません。
中数の増刊「ステップアップ演習」に「線分図で解く11題」は今晩読んでおきます。
天秤を基本的には調べていないのは、
1.面積図でさほど困らないこと
2.線分図・面積図、及び、天秤で即答できる問題では、レベルの高い中学では、合格のパスポートには成り得ない。
3.線分図が生かされるのは、「残りの・・・、残りの・・・」の類の問題
  面積図(天秤)が生かされる問題は、食塩水を含めて平均算
 である
と、考えているからです。
難問の類を解くためには、それらの道具を理解していても処理はできない、と思っています。

また、後日・後刻