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タイトル灘の算数
記事No177
投稿日: 2002/08/08(Thu) 09:35
投稿者木魚
おはようございます。
灘中の算数について。
受験することは無いと思いますが、中学入試の最高峰といわれてる灘の算数は、1日目、15問50分。
2日目、5問60分。関東では、難しいと言われている栄光でも50分。
灘の入試は実力が試されると考えていいのでしょうか。
また、努力で届くレベルなんでしょうか。
関西の名門塾のHPなどで知りうる情報では、関東のカリキュラムと比較すると、算数の時間数が2倍
のようです。やはり、偏差値70以上を目指すには、才能プラス膨大な演習量が必要なのでしょうか。また、5年のうちから難問を繰り返しやる必要があるのでしょうか。
日能研の上位層には灘志望者が陣取っているわけで、そのレベルとはどんなものだろうと思っているのです。
先生のお考えをお聞かせ下さい。

タイトルRe: 灘の算数
記事No219
投稿日: 2002/09/05(Thu) 09:34
投稿者くらもと
現在、灘の過去問をチャレンジ問題で提示中です。
灘の問題の解説を、今年中には、過去10年〜13年分完成予定です。
既に、6年分は終了しております。
チャレンジ問題のアドレス
http://www.spice.or.jp/~kuramoto/challenge/

タイトルRe: 灘の算数
記事No178
投稿日: 2002/08/08(Thu) 10:09
投稿者くらもと
講習会のすき間をぬって回答させていただきますので、何度か追加・修正を加えさせていただきます。

> 灘中の算数について。
> 受験することは無いと思いますが、中学入試の最高峰といわれてる灘の算数は、1日目、15問50分。
> 2日目、5問60分。関東では、難しいと言われている栄光でも50分。
> 灘の入試は実力が試されると考えていいのでしょうか。
→栄光は問題レベルがかなり低下してきているように思います。
 東大実績からすれば開成が一番ではありますが、卒業生の割合と、京大、医学部の実績を考えれば、灘が一番レベルが高いのではないかと思います。
 かなりの秀才が受験しますから、チョットしたミスが命取りになる可能性があり、言い過ぎではありますが、中学受験における東大の医学部と考えています。

> また、努力で届くレベルなんでしょうか。
→努力で届くかどうかは分かりません。
 これまでの経験上、灘に合格した生徒は、6年生の頭の段階でも、基本や応用レベルの問題では確実性(間違いが少ない)が強いようです。
 また、自分の解き方に拘泥することが少なく、少しでも簡単な方法を提示すると、食らいつきがよいことが多かったです。融通性があるんですね。
 そして、やるべき作業はキチンとやっています。
 決して【天才】とは思えないんですが。
 5年までに基礎・応用は押さえ、徐々にテクニックを取得していくことが大切かと思います。

> 関西の名門塾のHPなどで知りうる情報では、関東のカリキュラムと比較すると、算数の時間数が2倍のようです。やはり、偏差値70以上を目指すには、才能プラス膨大な演習量が必要なのでしょうか。また、5年のうちから難問を繰り返しやる必要があるのでしょうか。
→傾斜配点が多いですから、2倍になるのかも知れませんね。
 難問がどのレベルかは知りませんが、そこそこのレベルの問題で十分だと考えます。まず、正確さとキチンとした作業性とある程度の応用性を身につけることではないかと思います。
 発展的な考え方は、一通りの学習を終えた後で十分ではないかと思っています。当然、早いに越したことはありませんが、どこまでついて来れるのかは分かりません。

> 日能研の上位層には灘志望者が陣取っているわけで、そのレベルとはどんなものだろうと思っているのです。
→意外とミスのない子なのかも知れません。そして4教科ともそこそこできる、片ハイ飛行ではない子ではないかと思っています。依拠する塾でも2けたまでいける子もいますし、5年後半に地方に転居した子供が1桁に入っていました。

追:今年中には灘の過去12年間の解説を行う予定です。
 1日目で180問、2日目で72問、合計252問(既に120問ほどの解説は済んでいます)
 これによって、傾向が分かってくるものと思っています。
 なお、灘での出題が他校に大きく影響しています。その類似問題が中堅以上の中学入試で使われるからです。

タイトルRe^2: 灘の算数
記事No179
投稿日: 2002/08/09(Fri) 17:02
投稿者木魚
お暇な時までお待ちしますので宜しく御願いします。
ご迷惑で無ければ、これから1年半ご厄介になります。

うちにも声の教育者の灘中はあります。
先生の今年の解説では、1日目でも超難問があるのですね。
これは予想外でした。正確さと速さを査定する問題と思っていたので。
この1日目の15問を演習として使うとすればどの時期がよろしいのでしょうか。
一通りの知識が身についているはずの、6年前期では早すぎますでしょうか。

タイトルRe^3: 灘の算数
記事No180
投稿日: 2002/08/10(Sat) 08:55
投稿者くらもと
> お暇な時までお待ちしますので宜しく御願いします。
> ご迷惑で無ければ、これから1年半ご厄介になります。
→ハイ、こちらも勉強させていただきます。
 私自身は大学で数学を学んでいるわけではないため、どうしても数学的背景が見えません。ということは、ある意味では受験生と同じレベルで処理しないといけなくなるため、すっきりした解答が提示できないのかも知れませんが、悪しからずご了承下さい。

> うちにも声の教育者の灘中はあります。
> 先生の今年の解説では、1日目でも超難問があるのですね。
> これは予想外でした。正確さと速さを査定する問題と思っていたので。
→1問1答形式では、ヒントがないため、意外と手こずることもあります。
 ある意味でまとも?に証明してしまったためかも知れません。
 この問題ではTORAさん(WEB上では有名です)が、次のような図解をされています。http://arot.net/2002nada15.gif

> この1日目の15問を演習として使うとすればどの時期がよろしいのでしょうか。
> 一通りの知識が身についているはずの、6年前期では早すぎますでしょうか。
→灘の場合、正六角形や正三角形がかなり重要なポイント(受験算数では三角定規が発展問題で使われることが多いので当然といえば当然ですが)になりますから、それらの図形に慣れ親しむことが大切でしょうか。この問題に限らず、です。
 三角定規に慣れ親しむ過程で取得できていくのかも知れません。三角定規という意味では、5年生の前半でもいけますね。
 時期的な問題はよく分かりませんが、このレベルの問題では、6年2学期でも十分だと思います。
 なお、灘の1日目の問題を30分前後で処理する受験生もいるとのことですが、そのような受験生と勝負してもしかたがないのではないかと思います。

タイトルRe^4: 灘の算数
記事No191
投稿日: 2002/08/20(Tue) 15:13
投稿者木魚
こんにちは。
灘の問題では、線分図や面積図で解ける問題が少ないですね。(^_^;)

灘の1問目には還元算が出てます。
方程式つながっていくのかな?とか思ってます。
還元算の演習問題の作り方でいい方法があったら教えて下さい。

灘H12の問題 (2000×1/36+11/45)×(28/31ー□/9)=7、□=7

で、たとえば、36とか45とかを□にして問題を造ると難易度が変わってしまいそうだし、
□/9を□/18にしても、手順を暗記しちゃってそうだし、……とか思ってます。

タイトルRe^5: 灘の算数
記事No192
投稿日: 2002/08/20(Tue) 16:22
投稿者くらもと
ムリをすれば、ほぼどのような問題でも線分図か面積図(天秤)で処理できるでしょう。
楽しんで解くのならそれでよいのかも知れませんが、1問3分で処理するのが原則ですから、そうなると、楽しんでいる余裕はありません。
私は、基本的には、問題文を整理してから、道具である線分図や面積図(天秤)、○□(方程式)の複合利用が大切だち考えています。

> こんにちは。
> 灘の問題では、線分図や面積図で解ける問題が少ないですね。(^_^;)
>
> 灘の1問目には還元算が出てます。
> 方程式つながっていくのかな?とか思ってます。
> 還元算の演習問題の作り方でいい方法があったら教えて下さい。
→還元算の作り方は知りません。下の問題からいうと、逆算ですね。2000年度の問題は手元にないため、どれを指しているのかが分からないのですが、これは1番の計算問題でしょうか。
今晩帰ってから見てみますが。

> 灘H12の問題 (2000×1/36+11/45)×(28/31ー□/9)=7、□=7
>
> で、たとえば、36とか45とかを□にして問題を造ると難易度が変わってしまいそうだし、
> □/9を□/18にしても、手順を暗記しちゃってそうだし、……とか思ってます。

タイトルRe^6: 灘の算数
記事No193
投稿日: 2002/08/20(Tue) 17:13
投稿者木魚

> →還元算の作り方は知りません。下の問題からいうと、逆算ですね。2000年度の問題は手元にないため、どれを指しているのかが分からないのですが、これは1番の計算問題でしょうか。
> 今晩帰ってから見てみますが。

いつも即答恐れ入ります。

声の教育者の過去問集では、この□を求める問題を還元算というようです。
江村の「計算問題の特訓」では、未知数を求める計算、という項目で出てます。

タイトルRe^7: 灘の算数
記事No194
投稿日: 2002/08/20(Tue) 23:27
投稿者くらもと
一応、書いておきました。

http://tamatebako.net/1data-base/2school/kansai/01nada/2000-01-84428/01/set.htm

> 声の教育者の過去問集では、この□を求める問題を還元算というようです。
> 江村の「計算問題の特訓」では、未知数を求める計算、という項目で出てます。
→名称というのは、結構、統一性はありません。
 ある参考書では、蛇口から水がでる問題も【流水算】と呼んでいました。

タイトルRe^8: 灘の算数
記事No195
投稿日: 2002/08/22(Thu) 09:46
投稿者木魚
> 一応、書いておきました。
ありがとうございます。
この問題は、通分と9×31、がポイントということですね。
一回やってしまえば、繰り返しやる必要はないと思うんです。やっても1年後とか受験前でいいように思います。
ですから、同様の問題を演習させるためにはどうしたらいいかなと……。
ゆり方としては、たとえば5問セットを時間を計ってやらせる100マス計算みたいに出来ないものかと考えてます。
計算は演習量で速度と正確さをつけるしかないと思いますので。

タイトルRe^9: 灘の算数
記事No196
投稿日: 2002/08/22(Thu) 10:06
投稿者くらもと
計算演習に力を入れるのは馬鹿らしいと考えています。
計算演習は、文章題や図形でも必ず出てきますから、それらをやりながら自前の方式をマスターしていくのが得策ではないかと思うんです。
長目の計算を(私が)やるとき、問題毎に結構やりかたが異なりますし、その異なるやりかたは、計算問題を見て、こうするんだということを考えてやっているわけではありません。
計算している過程で、こうすれば簡単だというのが分かってくるからです。
また、灘であれば、15問のうち、1問です。その対策などを行ってもさほど得点源にはなりません。
やはり、文章題・図形に力を入れるべきでしょう。
もし計算演習をさせるのであれば、寝起きや眠たいときに、眠気さましにやるべきだろうと考えています。
このときに、本能的なミスがよくでるからでもあります。

追:当然、計算の習い始めに置いては、徹底的に計算漬けにすべきです。
>
> 一応、書いておきました。
> ありがとうございます。
> この問題は、通分と9×31、がポイントということですね。
→灘ですから、何らかのヒントやポイントはありますね。

> 一回やってしまえば、繰り返しやる必要はないと思うんです。やっても1年後とか受験前でいいように思います。
> ですから、同様の問題を演習させるためにはどうしたらいいかなと……。
→上記の概略の中に書かせていただきました。

> ゆり方としては、たとえば5問セットを時間を計ってやらせる100マス計算みたいに出来ないものかと考えてます。
→100マス算というのは、基本的には知りません。

> 計算は演習量で速度と正確さをつけるしかないと思いますので。
→演習量を積んでもさほど効果はないのかも知れません。計算ミスのスタイルを発見する以外には。

タイトルRe^10: 灘の算数
記事No197
投稿日: 2002/08/22(Thu) 13:21
投稿者木魚
> もし計算演習をさせるのであれば、寝起きや眠たいときに、眠気さましにやるべきだろうと考えています。
> このときに、本能的なミスがよくでるからでもあります。

> →演習量を積んでもさほど効果はないのかも知れません。計算ミスのスタイルを発見する以外には。

ご意見を伺えて良かったです。
通っている塾には毎日用のドリルがあります。
それを朝する習慣をつけさせるように心がけてみます。
その中にも未知数を求める問題が頻繁に出て来るようです。

タイトルRe^11: 灘の算数
記事No198
投稿日: 2002/08/23(Fri) 22:16
投稿者木魚
> それを朝する習慣をつけさせるように心がけてみます。
> その中にも未知数を求める問題が頻繁に出て来るようです。

たいしたことではないのですが、問題のヤラセ方で
効果の違いとかありませんか?

毎朝、4問させるとして
1)ストップウォッチでタイムを計る。
2)4分と決めて、見直しを義務づける。

トッププロのやり方で、
ある集団で演習をするときに、
一人が正答した段階で、「あと、60秒!」と時間制限をする方法を読みました。
競争の是非はあるかもしれませんが、受験は相対的なものであり、ある基準との
比較は避けられないものだという気もします。
やっくり考えるのが有効ではない可能性のある中学受験の危険性というのでしょうか、
中学受験での成功が伸びる素質を奪ってしまうカモ、というようなことを考えて
しまいます。
とりとめのない文スミマセン。m(。−_−。)m。

タイトルRe^12: 灘の算数
記事No199
投稿日: 2002/08/24(Sat) 05:08
投稿者くらもと
すいません。
基本的にはタイムトライアル的なものをやらせたことがありませんので、効果のほどは分かりません。
ただ、最後まで問題を解かせるのではなく、補助線が必要な図形において、どのような引き方をすればいいのかを、瞬間的に判断させることはやりたいとは考えています。
また、文章題においては、どのような道具で問題を表現できるかを、ある程度の速度を持って処理させることもやらせたいとは考えています。
ただ、いずれの場合も、処理方法のきっかけだけをつかむだけに留め、後の計算は、後刻、勝手にやらせることになるとは思います。
その理由は、そこまで塾で時間を掛けられないからです。依拠している塾は自宅学習を基本にしているためです。

> > それを朝する習慣をつけさせるように心がけてみます。
> > その中にも未知数を求める問題が頻繁に出て来るようです。
>
> たいしたことではないのですが、問題のヤラセ方で効果の違いとかありませんか?
→きっと効果の違いはあると思いますが、分かりません。
 どこまで基本的作業を忠実に実行しているかが大切な気がします。

> 毎朝、4問させるとして
> 1)ストップウォッチでタイムを計る。
> 2)4分と決めて、見直しを義務づける。
→計算問題でしょうか。計算ではある程度のスピード感は必要ですが、それ以上に正確さが必要であろうと考えています。

> トッププロのやり方で、
> ある集団で演習をするときに、
> 一人が正答した段階で、「あと、60秒!」と時間制限をする方法を読みました。
→アクションがあるほうが表面上は(マスコミに)受けそうですね。絵になるからです。

> 競争の是非はあるかもしれませんが、受験は相対的なものであり、ある基準との比較は避けられないものだという気もします。
> やっくり考えるのが有効ではない可能性のある中学受験の危険性というのでしょうか、
→パターン化した普通レベルの問題であれば、ある程度の瞬間的な判断は必要ですし、難問であっても、基本的な処理はどうするかの判断(それが間違っていても)には即答性が必要ですが、その後の計算など細部の処理にはそれなりの時間は必要だと思っています。

> 中学受験での成功が伸びる素質を奪ってしまうカモ、というようなことを考えてしまいます。
→素質を奪っているかどうかは知りませんが、塾漬けには抵抗を感じます。自立した学習の方が大切だと思っています。
 中学に入れないと仕方がないのかも知れませんが。
 地方からきた生徒の方が伸びる、との話は、灘やラ・サール、愛光の先生方から漏れてきます。その原因は、都会における塾漬けの弊害なのかも知れません。
 たとえば、今年私の指導した生徒(教え子というのはおこがましいため)が鹿児島ラ・サールに2人入学しました。
 日能研の成績(6年9月からの模試)では、
    最高300番台と500番台、平均は2人とも1100番台
でした。恐らく、入学試験では真ん中当たりではなかったかと想像していますが、1学期の段階では2人とも学年で15〜20番に入っているそうです。
 このことは、今年に限らず、毎年、同じような報告はあります。
 10年ほど前、灘に進学した生徒は入試の段階では、合格最低点から+18点でしたが、1年の1学期では50番台、2学期では15番だったという記憶があります。
 依拠する塾では、自立学習を基本原則にしているからかも知れません。

> とりとめのない文スミマセン。m(。−_−。)m。

タイトル(自力学習について)
記事No200
投稿日: 2002/08/28(Wed) 16:59
投稿者シッズ
自力学習の言葉の部分で
>都会における塾漬けの弊害なのかも知れません。
とはどの程度の塾漬のことをいうのでしょうか?
たとえば関西のH学園のような塾のことでしょうか?
子供が中学に入ってから自力学習ができるのか気になっています。
関西のH学園は講師のアルバイトをした人から
いろいろ話は聞いています。

タイトルRe: (自力学習について)
記事No201
投稿日: 2002/08/29(Thu) 07:23
投稿者くらもと
> 自力学習の言葉の部分で
> >都会における塾漬けの弊害なのかも知れません。
> とはどの程度の塾漬のことをいうのでしょうか?
→東京・関西の塾での学習時間(月〜土の6日間)は、
  5年生・・・週15時間
  6年生・・・週24時間
  それに日曜日のテストゼミが加算
と聞いております(5年ほど前)。
すると、6年生では1日4時間となりますから、ほとんど塾にいることになります。
この当たりを指して、【塾漬け】と言っています。
名古屋地区にもそれに準じた塾があるとのことですが、知りません。

テストゼミを除いて、せいぜい5時間〜8時間でしょうか。それを越えれば、【塾漬け】だと考えています。

> たとえば関西のH学園のような塾のことでしょうか?
> 子供が中学に入ってから自力学習ができるのか気になっています。
> 関西のH学園は講師のアルバイトをした人から
> いろいろ話は聞いています。
→H学園については、表面上のことしか知りません。
 何か特徴があればお教え下さい。